小麦アレルギーに立ち向かう男

小麦アレルギーになった彼女に、グルテンフリーで美味しいものを食べさせたい彼氏の冒険

コンタミネーションとは

小麦アレルギーの人がもっとも注意すべき項目にコンタミネーションがある。

字面から想像するに、体調を意味するコンディションや、保護・保全を意味するコンサベーション、avexが開催するエイネーションや、ビートたけしの秘技コマネチなどを想像した方が多いと思う。俺もだ。しかしそれらはすべて違う。


コンタミネーションの意味は「混入」。

原材料そのものに小麦が含まれていなくても、同じ工場で小麦製品が加工されていたり、同じ厨房で小麦が使用されていた場合に、アレルギー物質が微量混入してしまう場合をいう。


外食はこれが特に怖い。

 

  • そば粉100%の十割蕎麦を頼んだが、同じ鍋でうどんも茹でていた
  • フライドポテトを注文したら、パン粉を衣に使ったフライを同じ油で一緒に揚げていた
  • 器がきちんと洗浄されていなかったため、通常メニューの小麦成分が器に残っていた
  • グルテンが含まれないはずのハトムギ茶を飲んだら症状が出た。同じ工場の生産ラインで麦茶など他製品も一緒に作られていた
  • 皿で運ばれてきたコーンスープには何も入ってなかったが、厨房の大鍋には僅かにクルトンが入っていた


など、様々なケースでコンタミネーションは起きるそうだ。救急搬送される時に「何が原因か分からない」となりそうな話ばかりで、とても恐ろしく感じる。

 

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僕はデート時の食事には十分に気を遣っている。しかし「これは小麦が入ってないから安全だね!」と彼女に勧めたメニューでコンタミネーションが起きる可能性は十分ある。

もしそんなことが起きたら、僕は自責の念にかられ二度と彼女を外食に連れて行け行けなくなってしまうかもしれない。
本人にとっても「この世のすべてが信じられない…」とトラウマになってもおかしくない話だ。

小さなお子様を持つ親なら、安全なものを食べさせたはずの我が子が救急搬送されようものならショックは甚大だろう。


とはいえ前述したケースは、こちらでは対策のしようがない話ばかりだ。どうすればコンタミネーションを避けられるだろうか?


これに関しては「外食をしない」という極論を出すしかなくなってしまう。いや、むしろ米粉を買ってきて自宅で料理をしても、工場内でコンタミネーションが起きていた場合は、自炊でも防ぎようが無い。そうなると「加工品を食べない」しか道が無くなり、原材料のみを食すという原始的な生活に逆戻りだ。


僕は「美味しいご飯は人生の楽しみだ」と考えている。だから彼女には安全で美味しいご飯を食べさせたいし、加工品もガンガン使って料理していきたいと思う。

こんなことを言ったら元も子も無いが「100%絶対安全なんて存在しないのでは?仕方ないこともある」と思ってしまう自分も居るのだ。


考えてもみてほしい。もし故意ではなくコンタミネーションが起きてしまった際、あなたは店員や企業側を責められるだろうか?


ごく稀にホテルやレストラン等で食中毒事件が起きるのと同じで、コンタミネーションも「そんなつもりは無かったのに起きてしまった」というケースが大半だろう。

あたるかもしれない恐怖があっても牡蠣を食べる人もいる。
お腹を壊してでもレバ刺しを食べたい僕のような人間もいる。
O157などの食中毒で死亡してしまう人もいる。

アレルギーを持っている人だけに限らず、全ての人にとってこの世に絶対安心な食品なんて存在しないのだ。

 

その昔、カップ焼きそばの「ペヤング」にが混入して大騒動になったことがあった。厳密に言えばこれもコンタミネーション(混入)である。

当時、製造元のまるか食品は全商品を自主回収し、生産を全面停止。設備の刷新には数十億円もかかったそうだ。年間売上高約80億円だった企業にとって、この事件は絶対に避けなければならない痛手だったはずだ。


しかし、それでもコンタミネーションは起きてしまった。

倒産に繋がるような事件なので絶対に避けたいはずの企業でも起こってしまう、それがコンタミネーションなのだ。

Gとは違い、見た目で分かりづらい小麦が混入してしまう可能性は十分にあることだろう。


この事件から我々が学ばなければならないのは、

  1. 可能な限りアレルゲンを避けるように努力すること
  2. しかしそれでもコンタミネーションが起きるケースもあると理解する
  3. もし起きた場合、どのように対処するのか事前に準備しておくこと


備えあれば憂いなし。

だが、天災は忘れた頃にやって来る。

僕はエピペンの使い方は本を読んだだけなので、練習用を手に入れて実践を試したり、かかりつけ医への連絡方法なども聞いておいたり、出来る準備をすすめていきたいと思ってます。